1. 起業の経営学
  2. ビジネスプラン策定
  3. コーポレートサイトを作る

コーポレートサイトを作る

コーポレートサイトを作る

金融機関などから融資してもらう場合に、ホームページが必要になることがあります。
起業時は、最初から高いお金をかけて立派なホームページを作成するのではなく、 CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を活用して自分で作りましょう。

コーポレートサイトをDIY!

現在、「ホームページ」というと「コーポレートサイト」を連想する方が大多数です。
コーポレートサイトは、企業の公式サイトのことです。
企業の正式名称や所在地、アクセス、役員の情報、企業の沿革や歴史、社員数などを掲載します。

「ホームページ」とは、Webブラウザーを起動したときに最初に表示されるページのことです。 それが、Webサイトのトップページのことを「ホームページ」と呼ばれるようになりました。
さらに、現在では「Webサイト」のことを「ホームページ」と呼ぶ方が多くなりました。

「ホームページ」の正式名称は「Webサイト」です。

このサイトでは、一般的な使われ方に合わせて
「Webサイト」のことを「ホームページ」記載します。

以下のようにホームページにも色々種類があります。

  • コーポレートサイト
  • ECサイト
  • サービスサイト
  • ブランドサイト
  • プロモーションサイト
  • リクルートサイト
  • ランディングページ
  • メディアサイト

ここではホームページの核となる「コーポレートサイト」を自分で作る流れを解説していきます。

起業して最初のホームページは自分の手で作りましょう!

CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を使うことで、
誰でも簡単にホームページを作ることができます。

トリプルメディアとは

トリプルメディアとは

オウンドメディア

オウンドメディア(Owned Media)とは、「自社メディア」のことです。
コーポレートサイト、自社運営ブログ、実店舗など、自社が直接所有して自由に情報発信をすることができる媒体です。
オウンドメディアは自社で管理・運営するメディアであるため、比較的コントロールしやすいメディアとなっており、費用も抑えることができます。
また、集客力のあるコンテンツを資産として蓄積することもできます。

オウンドメディアの主な目的は顧客の「理解」を得ることにあります。

ペイドメディア

ペイドメディア(Paid Media)とは、「対価(広告費)を支払って発信するメディア」のことであり、大手ポータルサイトや折込チラシ、新聞広告、テレビCM、リスティング広告、ディスプレイ広告などあらゆる広告のことを指し、効果を高めるためには、多くの費用がかかります。
また、費用をかければ比較的コントロールしやすいメディアとなっています。

ペイドメディアの主な目的は顧客の「認知」を得ることにあり、自社のサービスや商品を顧客に認知してもらい、関心を持ってもらうことで、オウンドメディアへ顧客を誘導する役割を持っています。

アーンドメディア

アーンドメディア(Earned Media)とは、「獲得(Earned)されたメディア」のことであり、FacebookやTwitter、LINE、口コミサイトなどのソーシャルメディアのことを指します。
アーンドメディアは他のふたつのメディアとは異なり、コントロールできないメディアとなっています。

アーンドメディアの主な目的は顧客の「共感」を得ることにあり、企業が情報を発信するだけでなく、顧客との相互コミュニケーションと情報拡散によりブランディングと見込み客の獲得が可能になります。

オウンドメディアの充実が起業の成功のカギになります!

コーポレートサイトを作成し、事業ごとにサービスサイトを立ち上げていきます。
チラシやリスティング広告を使って、サービスサイトにアクセスを集めていきます。
SNSを活用して顧客の共感を得ます。

このようにデジタルマーケティングを中心とした売れる仕組みづくりが重要です。

コーポレートサイトの作成準備

コーポレートサイトの目的を決める

コーポレイトサイトを制作するにあたっては、まず制作の目的を決める必要があります。
一般的には以下のような目的が考えられます。

  • ステークホルダー(利害関係者)へのアピールのため
  • 人材獲得のため
  • 自社の商品・サービスを紹介するため
  • 問い合わせアップのため

ここでは、金融機関や行政機関などのステークホルダー向けに
コーポレートサイトを制作することを目的とします。

必要なページを決める

金融機関などに見てもらうためのホームページを想定していますので、
名刺代わり、あるいは会社パンフレットのような最低限で十分です。
集客するためのホームページは、別に作成してください。

ページ構成
ページ構成
  • トップページ
  • 商品一覧(あるいはサービス紹介)
  • 選ばれる理由
  • お客様の声
  • よくある質問
  • 代表者あいさつ
  • 会社情報

すでに経営戦略と事業戦略の策定をしていると思います。
まだの場合は、以下のページに戻って戦略策定を行ってください。

代表者あいさつ
  • 自己紹介
  • 起業の経緯
  • 経営理念
  • 経営者の想い

専門的な内容であっても、「素人が読んでもわかりやすい文章や表現」を使ってください。
特に、顧客となるサイト訪問者の「共感」が得られるような文章を意識することが重要です。

選ばれる理由
  • 顧客のニーズは何か?
  • 自社の強みは何か?
  • 競合との違いは何か?

顧客にとって自社の商品やサービスを購入することで、 どのような利益や恩恵を得ることができるのか?
顧客目線で丁寧に落とし込む必要があります。

経営戦略、事業戦略は
コーポレートサイト作成のための設計図です。

「代表者あいさつ」と「選ばれる理由」の2ページは、非常にアクセスが多いコンテンツです。
すべてのサイト訪問者が必ず見ると考えて、「共感」を意識したページ作成を行ってください。

ドメインを決める

ドメインとは、「インターネット上の住所」ことです。
ホームページがインターネット上のどこにあるのかを識別する情報として利用されます。

ドメインを決める

このサイトの場合、URLとドメインは以下のようになります。
URL 「https://keieigaku.biz/」
ドメイン「keieigaku.biz」

メールアドレスとして使用する場合、「〇〇〇〇〇@keieigaku.biz」となります。
※〇〇〇〇〇部分は自由に決めることができます。

ホームページを開設するときは、必ず何らかのドメインを使う必要があり、そうすることによってGoogleなどの検索エンジンに自社サイトの住所を登録することができるようになります。
また、Googleなどの評価はドメインに蓄積されていきますので、途中でドメインを変更することは、長年蓄積した評価をゼロにリセットするようなものなので、基本変更しないようにしてください。

ドメインは、以下の点を考えながら決めていきます。

  • 会社名又はサービス名に近いイメージにする
  • できるだけ短くする
  • ドメイン末尾の種類を選ぶ
会社名又はサービス名に近いイメージにする

ドメインは空きがある限り、自由に決めることが出来ます。
そのため、ドメインに会社名やサービス名などのブランド名を付けることで、ブランディングに役立てることができます。

次に、金融機関が融資を決定する際や新しい取引先などはコーポレートサイトの内容からチェックを始めることが一般的です。
ドメイン名を登録すると、登録者や連絡先がインターネット上に公開されるため、会社の信頼性を高めるためにある程度効果が見込まれます。

できるだけ短くする

ドメインはできるだけ短くすることが良いとされています。
その理由として、短い方が覚えやすく、直接URLを入力してくれる可能性も高まるからです。 Googleも公式サイトにてドメイン名は短いほど効果的であると明言しています。

ドメイン名に関して言うなら、短いほど効果的です。
名前は短いほうが覚えやすく入力も楽なため、ユーザーに見つけてもらいやすくなります。
それに、文字数が少なければ目に付きやすくもなります。
ドメイン名は 2~3 語を超えないようにすることをおすすめします。

Google Domains:最適なドメイン名の決め方

また、ドメインはURLの一部となるだけでなく、メールアドレス作成にも使うことができます。
ドメインで作成したメールアドレスはフリーメールと違い、サービス終了によって使えなくなるリスクがありません。
自分で契約を更新している限りは、使い続けることが可能です。
そして、ドメインで作成したメールアドレスは迷惑メールに振り分けられにくいです。

ドメイン末尾の種類を選ぶ

ドメインの末尾には「.co.jp」や「.biz」などの共通の文字列が使用されています。
これらはトップレベルドメイン(TLD)と呼ばれ、代表的なものは「.co.jp」「.jp」「.com」などがあります。
最近では、TLD の種類が増えたため、商品やサービスの目的がすぐに伝わるドメイン名を作成する際の選択肢が増えています。

以下が代表的なドメインとその用途・特徴です。

ドメイン 用途・特徴
.com 商用サービスや企業向けのドメイン
.net ネットワークに関するサービス向けのドメイン
.biz ビジネスや企業向けのドメイン
.jp 日本を意味するドメイン
.co.jp 日本国内で登記を行っている会社向けのドメイン

ドメイン取得の段階では、どのようなドメインを取得しても検索エンジンの検索順位に影響はありません。これは、Googleが公式のサイトでも名言しています。

基本的に、新しいgTLDも他のgTLD(.com、.org など)と同じように処理されます。
検索において、特定のTLDのキーワードが有利に働くことも不利に働くこともありません。

Google 検索セントラル:新しいトップレベルドメイン(gTLD)に対するGoogleでの取り扱いについて

ホームページを運用していく中で、ドメインを変更しないといけない状況が出てくる可能性もありますが、ドメインは変更することでのデメリットが大きいため、ドメインを決める際は十分に考えてから付けましょう。

CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を使う

CMSとは、簡単に説明するとHTMLなどのWebに関する専門知識がない方でも、ホームページの作成ができるシステムのことです。

ホームページを作成するためには、
HTML(HyperText Markup Language)やCSS(Cascading Style Sheets)などのプログラム言語に習熟する必要があります。
さらにデータを活用するようなページを作成したり、問い合わせを受け付ける仕組みを用意するためには Webシステムを構築する必要があります。
一見同じように見えるサイトでも、単純なHTMLだけのサイトとWebシステムは仕組みが全く異なります。
わかりやすい例として、一般的なネットショップは、ホームページではなく、Webシステムに分類されます。

近年、問い合わせフォームがついていないホームページを見ることはほぼないと思います。
それは、ほとんどのホームページが、Webシステムで作られているからです。
ブラウザ上で文章や画像を入力するだけで、簡単にページが作成できる機能は当然のことながら、 基本的な問い合わせフォームなどの管理ができる「ホームページ構築システム」を使っています。
そのようなホームページの作成や管理を行うシステムをCMSといいます。

代表的なCMSは以下の3つです。
  • WordPress(ワードプレス)
  • Jimdo (ジンドゥー)
  • Wix(ウィックス)

なぜ多くの方がこのようなCMSを選択するのか?
理由は、無料あるいは安い価格で使えるからです。

規模や機能によって金額は異なりますが、 CMSをゼロから構築すると100万円~1,000万円程度の費用がかかります。

メリットも多いですが、当然デメリットもたくさんあります。

日本では、WordPressが8割以上

日本では、WordPressが8割以上を占めています。

「WordPress has 82.4% CMS market share among websites in Japanese, whereas it has "only" 43.9% market share among sites in German.」において、 日本のCMS市場において、WordPressのシェアが82.4%と高い値をつけている

マイナビニュース『WordPress、日本で82.4%という高いシェア』

なぜWordPressが人気なのか?
オープンソースであることが大きな理由です。

オープンソースとは、プログラムのコード(ソース)が公開されているソフトウェアのことです。プログラムの改変や複製物の再頒布も認められています。

ホームぺージを作って利益を得る「ホームページ制作会社」にとって、 ラインセンス制限の少ない「WordPress」は非常に都合がよいのです。
「WordPress」が普及する前は「Movable Type」というオープンソースが主流でした。
2013年頃に「Movable Type」が無料では使えなくなり、「WordPress」に乗り換える人が増えました。

WordPressが多くの人々から人気を集めている理由は他にもたくさんありますが、 CMSとして一番優れているから選ばれているのではなく、 多くの人にとって都合がよいからだということも把握しておいてください。

自身のWeb制作に対する知識や経験、サイト制作の目的などを考慮しながら、
自分に合ったCMSを選択することが重要です。

私自身、創業時のホームページは「Movable Type」で作っていました。

無料では使えなくなるということで、「WordPress」に乗り換えをせず、 自社でCMSを独自開発することにしました。

このサイト「起業の経営学」は、自社で独自開発したCMSで作成しています。

事例 私の起業ストーリー

2008年に起業した際に、実際作成した資料などをもとに事例として公開しています。

独自開発したCMS

2008年に起業した当時は、大手企業のシステム開発請負を中心に仕事をしていました。
その仕事の後、夕方~夜中遅くまで、土日祝の請負業務が休みの日に終日行っていたのは、 ネットショップシステムの独自開発でした。
ネットショップといっても一般的なホームページとほとんど変わりません。そのためCMSの開発は避けて通れませんでした。
日々、研究と開発を継続していくうちに、自分で使ってみても納得がいくCMSになりました。

私の営業拠点である鹿児島は、都会と比べると当然ですが、パソコンが苦手な方が多いです。
そのため、難しい操作や覚えることが多いとすぐにあきらめてしまします。

「可能な限り見た目のまま編集できるように」、「ボタン1つで機能を設置できるように」など、 日々課題の解決に追われ、改善を繰り返しているうちに、気がつけばかなり使いやすいCMSになっていました。

「Movable Type」で作っていた自社のホームページを
独自開発したCMSに移すことにしたことも結果的にはよかったです。
それまでは、顧客のネットショップを制作するためのCMSとして作りこんでいましたが、 普通のコーポレートサイトになると要件や機能も多少変わります。
どんな業種のホームページでも作りやすいCMSを目指して、さらなる研究と開発を行いました。

その成果として、現在私の会社が一番力を入れている
不動産向けの営業支援システムの一部として、不動産ホームページ作成サービスが生まれました。

このサービスでは、不動産業者の方が、自分で本格的な不動産ホームページを作れることが特徴です。 自分で作ることが難しいページやデザインパーツは弊社のデザイナーに依頼もできるハイブリッドなサービスで 500社以上の不動産会社の方に使ってもらっています。

不動産向けホームページ作成サービスで培ったノウハウも合わせて、業種を問わないCMSの開発を行っています。

経歴概要

2008年に個人事業を開業し、翌年に株式会社SESHを設立しました。 鹿児島市のニュービジネスプランコンテストで2年連続大賞を受賞した経験もあり、事業計画書の策定には強みがあります。 主な業務として、経営全般の企画や管理を行っていますが、 特にWebマーケティングやディレクション、および顧客の経営コンサルティングを担当しています。