1. 起業の経営学
  2. ビジネスプラン策定
  3. ホームページを運用する

ホームページを運用する

ホームページを運用する

ホームページは作ってからがスタートです。
検索からホームページにアクセスしてもらうためには、SEO対策が必要になります。 作成したコーポレートサイトが、会社名で検索して上位に表示されるように目指しましょう。

会社名で検索して上位に表示されるように調整する

作成したホームページを公開しても、すぐにたくさんの人からアクセスされるわけではありません。
QRコードを読み取ったり、URLを直接打ち込むことで、サイトを見ることはできます。
しかし、Googleなどの検索エンジンを経由して見てもらうためには、様々な要件を満たす必要があります。

近年、Googleは検索順位を決めるルールを大幅に変更しました。
その影響で、2022年くらいから新しく取得したばかりのドメインは、検索されるようになるまで時間がかかるようになりました。
なぜ、以前より時間がかかるようになったのかを解説していきます。

SEO対策とは?

Googleなどの検索エンジンで「会社名」を検索して、上位に表示されるように調整することをSEO対策といいます。

ホームページを作っただけでは検索しても表示されることはありません。
まず、クローラー(ホームページの情報を収集するロボット)が、ページをチェックします。
チェックが完了したら、情報を分類し、検索エンジンのデータベースに記録します。

クローラーが収集したウェブページのデータを検索エンジンデータベースに整理された状態で格納されることを「インデックスされている」といいます。

インデックスされていないページは検索結果に表示されません!

近年、Googleは「コアアップデート」と呼ばれる 検索アルゴリズムを見直して検索結果を大幅に改善するためのアップデートを行いました。
その結果、検索順位に大幅な影響が出ています。

起業する方にとっての影響は、会社名であっても検索結果に表示されないということです。

一般的によく使われている言葉が含まれているような会社名の場合は別ですが、 「会社名」で検索して検索結果が1位となることはさほど難しいことではありません。

「コアアップデート」以前は、ホームページを作成して数日すれば「会社名」で検索して上位に表示されていました。

現在は、1か月以上の時間がかかることもありますので、 できるだけ早くホームページを公開して検索される状態にすることがネット集客にとっても重要になります。


SEO対策に関して、事前に詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。

新規ドメインは検索されるまで時間がかかる

2012年以前はブラックハットSEOが横行していました。
そのため、低品質で悪質なWebサイトが増え、ユーザーに有益な情報を提供できない状態が続いていました。

ブラックハットSEOとは、不正な方法によって質の低いページ(コンテンツ)の検索順位を上昇させるテクニックのことです。
ゲームに例えると、バグ(不具合)を意図的に使用する不正行為のようなものです。

オンラインゲームなども「不正行為」を厳しく取り締まりますが、
「他人との平等性を保てなくなる」ということを運営側が考えるからです。

ブラックハットSEOが横行している状態が続くと、ユーザーはGoogleから離れてしまいます。
そこで、Googleはコンテンツの内容に関して以下の点を重要視するようになりました。

  • 安心
  • 安全
  • 独自性
  • 信頼性
  • 専門性
  • 権威性
  • 人気度

Googleの使命とは?

Googleが掲げている企業の使命は「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」だそうです。
そして、Googleは「10の真実」を策定し、企業として常にこのとおりであるよう努めているそうです。
その「10の真実」の中でGoogleはユーザーファーストを明言しています。

Google は、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。
新しいウェブブラウザを開発するときも、トップページの外観に手を加えるときも、Google 内部の目標や収益ではなく、ユーザーを最も重視してきました。

Google:Googleが掲げる10の事実

Googleはコンテンツの品質に重きを置いて、ホームページの評価をしています。
品質の重要性に関しては、公式サイトでも以下のように明言しています。
また、Googleは質の高い検索結果を提供し続けるために、「検索品質評価ガイドライン」を作成し、公開しています。

Googleでは、検索品質評価プロセスからのフィードバックを集計し、より正確に情報の質を判定できるようシステムを改善しています。

Google Search:検索の仕組み コンテンツの質

ドメインの信用を高める

新規ドメインが検索されるまで時間がかかるようになった大きな理由はGoogleがコンテンツの品質を重要視するようになったからです。
開設したばかりのホームページに、質の高いコンテンツを準備することはとても難しいです。
そのため、以前よりインデックスされるまで時間がかかるようになりました。

Googleのクローラーは毎日、全世界の膨大な数のホームページをクロールしていますが、全てのホームページをクロールしインデックスすることは不可能です。
そこで、インデックスするべきである品質の高いコンテンツがあるホームページのみをインデックスするようになりました。
このことについては、GoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏も以下のようなコメントをしているそうです。

(インデックスさせるには)自分のサイトを、ほかのサイトと同じくらい良い・悪いように単にするだけでは人々を引きつけるようにはならない。
著しく高品質であることを本当に目指すべきだ。
品質とは、ページのテキストに関してだけではなく、サイト全体のすべて、サイトに埋め込んであるものすべてに関してだ。

海外SEO情報ブログ

「作成したサイトをしっかりと運用する意志があるか?」
「作ってすぐに放置したりしないか?」
Googleはユーザー目線でチェックし、問題がないと判断した場合、検索結果に表示されるようになります。

ホームページ開設時は、まずホームページの信頼性を高めることから始めてください。

無料でできるホームページ開設時にやるべきSEO対策

会社名で上位表示されるために、ホームページ開設時にやるべきことをご紹介します。
有料広告などを活用して認知させることも可能ですが、ここでは無料でできるSEO対策を紹介していきます。

1.Googleのクローラーを呼ぶ

ホームページを開設した段階では、サイトの存在がGoogleに認知されていません。
Googleに認知されて初めて、Google検索に表示されるようになります。

Googleが検索順位を決める仕組み

Googleに認知されるには

Google検索結果に表示されるには、Googleにホームページを発見してもらう必要があります。
Googleに発見してもらうことを「クロール」と言い、クロールを行うWebサイト巡回ロボットを「クローラー」と言います。
クローラーはインターネット上のサイト間のリンクを辿って新しいサイトやページを発見しています。
しかし、開設したばかりのホームページでどこからもリンクされていない場合は、クローラーが自力で発見することはできません。
そのため、作成者側がGoogleのクローラーを呼ぶための手続きを行う必要があります。

Google Search Consoleに登録する

Googleのクローラーを呼ぶためには、Google Search Console(サーチコンソール)というサービスに登録する必要があります。
Google Search ConsoleはGoogleが提供しているサイト管理者向けの管理ツールで、検索に対する様々な分析を行うことができます。
その中の機能を利用し、クローラーを呼ぶことができます。

クロール用にサイトマップや個別 URL を送信します。インデックス カバレッジで、Google に最新のサイトが表示されることを確認できます。

Google Search Console

サイトマップを作成し送信する

サイトの存在をGoogleが認識した場合に、クローラーはサイト内のリンクを辿ってトップページ以外のページの情報を集めます。
しかし、サイト内で適切にリンクが設置されていないページがあったり、追加したばかりの新しいページについては、クローラーは発見できないことがあります。
このような場合に短期間でページを認知してもらうために、サイトマップを作成しGoogleに送信すると効果的です。
サイトマップとはサイト内のページの一覧が記録されたXML形式のファイルで、Google Search Consoleから登録することでGoogleに送信できます。
作成には専門知識が必要であったり、ページを追加・削除する度に更新が必要なため、サイトマップ自動生成機能が付いたCMSを利用しましょう。

サイトマップとは、サイト上のページや動画などのファイルについての情報や、各ファイルの関係を伝えるファイルです。Google などの検索エンジンは、このファイルを読み込んで、より効率的にクロールを行います。

サイトマップの概要 | Google 検索セントラル

2.Googleビジネスプロフィールを作成する

会社名で検索されるために、Googleビジネスプロフィールを作成しましょう。
近年、益々重要度が増してきていますので、起業したら必ず作成するようにしましょう。

Googleビジネスプロフィールとは

Googleビジネスプロフィールは、Google上の会社紹介のことです。
Googleで会社名や店舗名を検索すると、検索結果に会社名や住所・電話番号・Webサイト・営業時間・口コミなどが掲載されますが、それがGoogleビジネスプロフィールに該当します。
Googleビジネスプロフィールは自動で作成されませんので、会社や店舗を構えたら自分で登録しましょう。
ビジネスプロフィールに登録することで、会社名等で検索した場合にホームページの存在が認知され、ダイレクトにホームページへ誘導することができます。
また、店舗などのローカルビジネスであれば、Googleマップ上に情報が掲載されるようになり、店舗の存在を知らない人へも認知させることが可能になります。

ビジネス プロフィールを無料で作成することで、 Google 検索およびマップで検索したユーザーを新規 顧客に変えましょう。写真、特典、投稿などで プロフィールをパーソナライズすることが可能です。

Googleビジネスプロフィール

3.知り合いにURLを通知し見てもらう

上記対策を行っても、新規取得したばかりのドメインは短期間で検索に表示されません。
表示される期間を早めるためには、Googleに信用できるサイトだとシグナルを送る必要があります。
そのためにはホームページを他人に見てもらい、アクセスを集める必要があります。

知り合いに見てもらう

ホームページを確実に見てくれるのはあなたの知人です。
信頼関係のある家族や友人・顧客などにホームページのURLを送信し、「ホームページを開設したので見て欲しい」とお願いしましょう。
普段から信頼関係のある知人であれば、好意をもってホームページを見てくれます。
自分の近くにいる人に見てもらうことで、「ローカルシグナル」という地域を識別する情報がGoogleに送信され、信用度が増していきます。

名刺にURLやQRコードを印字し配布する

今から出会う顧客や取引先にもホームページを見てもらいましょう。
名刺にホームページのURLとQRコードを印字し、「ホームページも見てください」と一言添えて手渡しましょう。
特に近年はスマホでQRコードを読み取って閲覧する機会が増えているため、名刺にQRコードが印字されていると、手軽にホームページを見てもらえます。
最初は会社名で検索上位に表示されにくいため、このような活動を意識的に行いアクセス数を増やしましょう。

4.SNSに投稿する

知り合い以外の外部からアクセスを集める方法として、SNSからホームページへ誘導する方法があります。
SNSは誰でも手軽に情報発信できるツールとして普及していますので、ホームページの認知度を上げるために積極的に活用していきましょう。

SNSからホームページへ誘導するには

ここではGoogleに対するホームページの信用度を上げることが目的のため、ホームページへ誘導するためにSNSを活用します。
具体的には、SNSの投稿にホームページへのリンクを埋め込むことが重要です。
投稿を見たユーザーがリンク経由でホームページを訪問してくれるため、アクセス数が増えます。
そのため、きっかけとなるキャッチコピーや写真をSNSに投稿し、詳細はホームページ内の商品・サービスページやブログ記事などをリンクするようにしましょう。

各SNSの特性を理解して利用する

事業の内容に合わせて、各SNSの特性を理解し利用することが重要です。
Twitterは投稿内にリンクが設置でき、投稿内容が広く公開され拡散性も高いため、ホームページへの誘導に最も適しています。
Facebookは個人が主体となっていて若干閉鎖的なため、既にフォロワーを多く抱えている場合は活用できます。
Instagramは写真が中心となっており投稿内にリンクが設置できないため、ホームページへの誘導といった観点では確率が落ちるかもしれません。
また、利用ユーザーの年齢層も特性があるため、自社の対象顧客に合ったSNSを活用しましょう。
ホームページへのリンクをクリックしてもらうためには、できるだけ共感を生む内容を投稿しましょう。

5.外部リンクを獲得する

ドメインの信用度を高めるために、外部サイトからリンクを獲得する方法があります。
信頼性の高い外部サイトからリンクを獲得すると、自社ホームページの信用度も高まります。

信頼性の高い外部サイトとは

既に信用を獲得しているサイトは信頼性が高いです。
具体的には自治体・公共団体・教育機関・メディアなどの公的機関や、大手企業などはサイトの信用が高い傾向にあります。
これらのサイトからリンクを獲得することは容易ではありませんが、例えば地元の商工会議所や所属している業界団体などは、加盟企業のリンクを設置してくれることもあります。
大手企業でも取引先や代理店の一覧でリンクを設置してくれるケースもありますので、これらのサイトからリンクを獲得できるよう活動しましょう。

効果のない外部リンクとは

外部リンクでも効果のないケースもあります。
自治体などが提供している有料のバナー広告は、有料であるためGoogleから無効と見なされるケースがあります。
有料でリンクを購入する行為をGoogleは認めていないため、バナー広告を購入することは信頼性を高めることにはなりません。
また、SNSや無料のポータルサイトのように、誰でも投稿を行えるユーザー参加型サイトからのリンクも効果はありません。

事例 私の起業ストーリー

ホームページの運用に関しては、古い情報を提供してもあまり意味がありません。 そのため、コアアップデート以降であっても意味があることに限定して解説します。

国に近い組織から被リンクをもらう

SEO対策では、被リンク数(他のサイトからリンクされている数)が重要です。
ただ単に被リンク数が多いことをGoogleでは評価しないようになりましたが、 信用度が高いサイトからのリンクは現在も変わらず重視します。

信用度は国(政府)に近ければ近いほど高い傾向があります。
国、都道府県、市区町村などからリンクされることでドメインの評価は飛躍的に高まります。

行政が推進する事業に積極的に参画する

行政が推進している事業に参画することでSEO効果を得ることができます。
私が起業した際、インキュベーション施設に入居するようにしました。

インキュベーション施設は、創業初期段階である起業者の事業拡大や成功を支援する目的のため、 安価な賃料で事務所スペースを提供したり、事業の立ち上げに関する専門家によるサポートを提供したりする施設のことです。
市区町村が積極的に支援していることも多いのですが、 入居することになると行政が運用するWebサイトからリンクを獲得することができます。

私の場合は、以下の3つの施設を利用しました。

ビジネスの成長に合わせながら、インキュベーション施設を活用させてもらいました。
その都度、行政からリンクも獲得することもできました。

ビジネスプランコンテストの活用

様々な機関がビジネスプランコンテストを主催しています。
起業準備者等のビジネスプランのブラッシュアップや事業化の支援を目的に参加することが一般的です。
プランが評価され賞を受賞することになると行政のWebサイトからリンクを獲得することができます。
その他、新聞などのメディアにも取り上げられることがありますので、 たくさんの人がサイトにアクセスすることになります。
アクセスを増やすこともSEO対策にとって重要な要素の1つです。

私の場合は、鹿児島市が主催していたニュービジネスプランコンテストで大賞を受賞した際に、 鹿児島市のサイトからリンクを獲得することができました。

補助金や助成金の活用

創業時に利用できる補助金や助成金もたくさんあります。
私も創業時に使えそうな補助金や助成金は申請しました。

補助金や助成金は時代に合わせて増減しますので、 私が活用したものは現在なくなっています。
そのため、ここでは詳細は省略させていただきます。

補助金や助成金の申請が採択されると、採択者一覧や採択の事例として紹介されることがあるため、 行政が運用するWebサイトからリンクを獲得できる可能性があります。

経歴概要

2008年に個人事業を開業し、翌年に株式会社SESHを設立しました。 鹿児島市のニュービジネスプランコンテストで2年連続大賞を受賞した経験もあり、事業計画書の策定には強みがあります。 主な業務として、経営全般の企画や管理を行っていますが、 特にWebマーケティングやディレクション、および顧客の経営コンサルティングを担当しています。