ペルソナ(理想的なお客様像)を想定したことでターゲットを選定することができました。
ここでは、マイケル・E・ポーターが提唱した「ファイブ・フォース分析(5つの競争規定要因)」をもとに、自分が起業したいと思う業界について分析をします。
ファイブ・フォース分析
業界内の競争
同じような製品、サービスを提供し、同じような顧客を狙うライバル企業がどれくらいいるのか?
同程度の企業が多い場合や、製品やサービスの差別化が難しい場合などの環境下では、競争が激化する可能性が高いです。
- 競合企業の数
- 競合企業のブランド力
- 業界の成長性
新規参入の脅威
新規企業が参入すると、競合企業が増えることになりますので収益に影響が出ます。
参入するために莫大なお金がかかるなど、「参入障壁が高い」場合は、業界内の競争は緩やかになります。
自宅で開業できるなど、「参入障壁が低い」場合は、競争が激しくなります。
起業したいと考えているあなたはここに含まれますが、起業した後に新規参入者が増えるのか?を考えてみるとよいでしょう。
- 参入障壁
- 必要な資金
- 資格や認定の有無
代替品の脅威
・新聞や雑誌に対するインターネット記事
・デジカメに対するスマートフォン
など
別の業界の製品やサービスが、同じような価値や機能を消費者に提供する際に生じる脅威です。
- 価格
- 差別化
- スイッチング・コスト
売り手の交渉力
メーカーや仕入れ先など「サプライヤー」の交渉力が与える影響です。
人気がある商品や生産数が少ない商品は、希少性が高いため仕入れが難しくなります。
そのため、売り手の交渉力が高くなり、仕入価格も高くなります。
仕入価格が高くなると利益を圧迫するため、収益にも影響が出ます。
- 代替品があるか
- 供給企業のスイッチング・コスト
買い手の交渉力
自社の製品やサービスを購入する顧客(消費者、取引先企業など)の交渉力です。
需要が少ない(人気がない商品)、供給が多い(日常品など)場合は、買い手の交渉力が高いため、安く売ることになります。そのため、利益が少なくなり収益に影響が出ます。
- 市場の規模
- 競合企業の数
- パワーバランス
ファイブ・フォース分析の例
デザイン業界を例にファイブ・フォース分析を行ってみます。
業界内の競争
インターネットの普及により、全国のデザイン会社、フリーランサーなどに仕事に依頼ができるようになりました。そのため、業界内の競争は激化したと考えられます。
新規参入の脅威
デザイン業務の経験を積む必要があるため、誰でもできる仕事ではなりませんが、
特別な資格は必要なく、自宅でも開業できます。参入障壁が低いため、競合は増え続けると考えられます。
代替品の脅威
安価なデザインテンプレートや、チラシやホームページを作成できるソフトウェアの存在が脅威になります。
デザインだけでなくマーケティング知識なども身に着け差別化することが重要です。
売り手の交渉力
写真やイラストなどの素材が考えられますが、近年はインターネットで素材を手軽に購入できるようになりました。そのため、売り手の交渉力は弱いと考えられます。
買い手の交渉力
クラウドワーカーと呼ばれるオンラインで作業を請け負うデザイナーが100万人以上存在します。
デザイナー以外も含まれますが、日本のフリーランサーは1,122万人(2017年)労働力人口の17%を占めるそうです。
デザインの仕事は重要でニーズもありますが、インターネットで手軽に依頼ができるようになったため
買い手の交渉力は強いと考えられます。
[業界内の競争]
業界内の競争は激しい
[新規参入の脅威]
新規参入の脅威にさらされている
[代替品の脅威]
代替品の脅威が存在する
[売り手の交渉力]
売り手の交渉力は弱い
[買い手の交渉力]
買い手の交渉力は強い