構造化データとは
人は、ページにある「0〇〇-〇〇〇-〇〇〇〇」を見れば、電話番号だとわかります。しかし検索エンジンのプログラムには数字と記号の並びにすぎず、何の番号なのかを取り違えることがあります。
そこで、ページの HTML(ページを作っている文字のデータ)の中に、「これは店の名前」「これは電話番号」と、決まった書き方で書き添えます。これが構造化データです。画面には出ないので、ページの見た目は変わりません。
-
ページに情報を書く
店の名前、住所、電話、営業時間
-
同じ情報に名札を付ける
「これは営業時間」と書き添える
-
検索エンジンが読み取る
どれが何の情報かを取り違えない
-
検索結果に使われることがある
どう見せるかは検索エンジンが決める
名札は本文の補い。まず、ページに情報をはっきり書きます
このサイトで共通の例にしている「開業1年目の〇〇整体院」(仕事帰りの会社員向けに、平日21時まで受け付けている小さな整体院)で言えば、トップページに書いた店の名前、住所、電話番号、営業時間に、構造化データで名札を付けます。検索エンジンは、どれが営業時間なのかを取り違えずに読み取れます。読み取った情報を検索結果でどう見せるかは、検索エンジンが決めます。
名札を書くときに出てくる言葉は、次の2つだけ知っておけば十分です。
- schema.org(スキーマ・ドット・オーグ)
- 名札に使う言葉の辞書です。「店」「記事」「人」などの種類と、「名前」「住所」「営業時間」などの項目の名前が決まっています。Google、Microsoft、Yahoo などの検索エンジンが共同で始めました。
- JSON-LD(ジェイソン・エルディー)
- 名札の書き方の1つです。本文の行ごとに書き足すのではなく、ページの HTML の1か所に、名札をひとまとめにして書くので、あとから直しやすい書き方です。Google もすすめています。
役に立つこと、期待しすぎないこと
役に立つこと
- 検索エンジンが、ページを正しく理解できる: Google は「構造化データを使用してページの意図を伝えると、Google はそのページをより正確に理解できるようになります」と説明しています。
- 検索結果の見せ方が変わることがある: 題名と説明文だけの表示に、記事の画像や日付、ページの階層(「トップ > 院長ブログ」のような道順。パンくずリストと呼ばれ、パソコンの検索結果だけに出ます)などが加わることがあります。こうした表示をリッチリザルトと呼びます。
期待しすぎないこと
- 入れても、表示されるとは限らない: Google は「構造化データが検索結果に表示されるとは限りません」としています。どう見せるかは、検索エンジンが決めます。
- AI 検索のために入れるものではない: Google の2026年の生成 AI 検索向けのガイドには、次のように書かれています。
生成 AI 検索に構造化データは必要ありません。追加する必要がある特別な schema.org マークアップもありません。ただし、Google 検索のリッチリザルトの対象となるのに役立つため、SEO 戦略全体の一部として引き続き使用することをおすすめします。
Google 検索における生成 AI 機能に向けた最適化のための Google ガイド(Google 検索セントラル)
つまり、AI 検索のために、特別な名札を新しく作る必要はありません。AI 検索で紹介されるかどうかは、構造化データでは決まらず、ページに書いてある中身で決まります(「AIO とは」)。構造化データは、ページに書いた情報を正しく伝え、検索結果の見せ方を整えるための仕上げと考えましょう。
小さな会社がまず入れたいもの
schema.org にはたくさんの種類がありますが、小さな会社が使うのは、次の4つくらいです。上から順に整えます。
| 伝えること(schema.org の種類) | 入れるページ | 〇〇整体院の例 |
|---|---|---|
店や会社の情報(LocalBusiness。店のない会社は Organization) |
店や会社の情報を書いたページ | トップページに書いた店の情報(下で説明) |
ページの階層(BreadcrumbList) |
トップページ以外のすべてのページ | トップ > 院長ブログ > デスクワークの肩こりと眠り |
記事(Article) |
ブログや解説の記事 | 院長ブログの記事の題名、公開日、更新日、書いた人(院長) |
書き手の紹介(ProfilePage) |
記事を書いた人の紹介のページ | 院長ブログの中の、院長の紹介のページ(経歴、施術の考え方) |
店のない会社(会社に売る事業や、ネットの仕事など)は、LocalBusiness の代わりに Organization(組織)を使い、会社の名前、URL、ロゴなどを、トップページか会社概要のページに書きます。
パンくずや記事などの構造化データは、使っているホームページの作成サービス(CMS。くわしくは「コーポレートサイトを作る」)や、その追加機能が、自動で入れていることがあります。たとえば Wix は、ブログの記事などに自動で入れます。足す前に、下の「確かめ方」で、今入っているものを見ましょう。
〇〇整体院の店の情報を書くと
〇〇整体院の店の情報で、画面に書くことと構造化データの項目を並べると、次のようになります。
| 画面に書くこと(人が読む) | 構造化データの項目(検索エンジンが読む) |
|---|---|
| 店の名前「〇〇整体院」 | 店の名前(name) |
| 説明「デスクワークの肩こりを、姿勢から見直す整体院です。平日は21時まで予約できます」 | 店の説明(description) |
| 住所「〇〇県〇〇市〇〇町1-2-3 〇〇ビル2階」 | 住所(address) |
| 電話「0〇〇-〇〇〇-〇〇〇〇」 | 電話番号(telephone) |
| 営業時間「平日10時〜21時、土曜10時〜17時、日曜・祝日は休み」 | 営業時間(openingHoursSpecification) |
| サイトのアドレス | サイトの URL(url) |
どの項目も、画面に書いてあることと同じにします。Googleビジネスプロフィールや SNS に載せている情報とも、そろえておきます(「AI に紹介される会社の条件」の条件2)。
JSON-LD で書いた例(自分で HTML に貼るときや、作った人に頼むとき)
CMS の設定や追加機能で入れられないときは、次のかたまりを <script type="application/ld+json"> と </script> で囲み、店の情報を書いたトップページの HTML(<head> の中や、CMS のコードを足す欄)に貼ります。〇〇の所は、自社の情報に置き換えます。
- 住所: 都道府県、市、町と番地に分けます。郵便番号(
postalCode)も、ページに書いていれば足します。 - 電話番号: 日本の番号 +81 を付け、最初の 0 を外します(Google は、国の番号と市外局番を必ず入れるとしています)。書き方が違うだけで、画面と同じ番号です。
- 営業時間: 曜日ごとに、開く時刻(
opens)と閉まる時刻(closes)を書きます。
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "LocalBusiness",
"name": "〇〇整体院",
"description": "デスクワークの肩こりを、姿勢から見直す整体院です。平日は21時まで予約できます",
"url": "https://seitai.example.jp/",
"telephone": "+81-〇〇-〇〇〇-〇〇〇〇",
"address": {
"@type": "PostalAddress",
"addressCountry": "JP",
"addressRegion": "〇〇県",
"addressLocality": "〇〇市",
"streetAddress": "〇〇町1-2-3 〇〇ビル2階"
},
"openingHoursSpecification": [
{
"@type": "OpeningHoursSpecification",
"dayOfWeek": ["Monday", "Tuesday", "Wednesday", "Thursday", "Friday"],
"opens": "10:00",
"closes": "21:00"
},
{
"@type": "OpeningHoursSpecification",
"dayOfWeek": "Saturday",
"opens": "10:00",
"closes": "17:00"
}
]
}
休みの日曜は書かず、開いている曜日だけを書いています。祝日のように日付で決まる休みの書き方や、店の種類に合う細かい種類(飲食店なら Restaurant など)は、Google の「ローカル ビジネスの構造化データ」にあります。
院長ブログの記事には、記事(Article)の構造化データを入れます。書いた人(author)の url には、書き手の紹介のページの URL を書きます(Google のすすめ)。
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Article",
"headline": "デスクワークの肩こりと眠り",
"description": "仕事中の姿勢のくせと、家でできる体操を説明します。",
"image": "https://seitai.example.jp/img/desk-work-sleep.jpg",
"datePublished": "2026-10-05",
"dateModified": "2026-10-18",
"author": {
"@type": "Person",
"name": "〇〇 〇〇",
"jobTitle": "院長",
"url": "https://seitai.example.jp/blog/profile/"
},
"publisher": {
"@type": "Organization",
"name": "〇〇整体院",
"url": "https://seitai.example.jp/"
},
"mainEntityOfPage": "https://seitai.example.jp/blog/desk-work-sleep/"
}
守ること
- ページに書いてあることだけを書く: 画面に出ていない情報、ページと関係のない情報、うその情報(自分で書いたクチコミなど)は書きません。Google のガイドラインに反すると、Google の担当者による「手動による対策」を受け、リッチリザルトが出なくなります。
- どこでも同じ情報にする: 営業時間などを変えたら、ページの本文、構造化データ、Googleビジネスプロフィールを、まとめて直します。本文だけを直して構造化データが古いままだと、食い違いが生まれます。
- なくなった表示に頼らない: よくある質問(FAQ)の構造化データで、検索結果に質問と答えを並べる表示は、2026年5月7日から Google 検索に出なくなりました(Google 検索セントラルの更新履歴)。すでに入れていても、あわてて消す必要はありません(Google は2023年に、使われていない構造化データで検索に問題は起きないと説明しています)。見せ方の決まりは時期によって変わるので、新しく入れる前に、Google の説明の最新の版を確かめます。
確かめ方
まずは、1つ目のリッチリザルト テストだけで十分です。ページの URL を入れるだけで、今どんな構造化データが入っているかがわかります。自分で JSON-LD を書いたときは、カンマ(,)や「"」が1つ抜けただけで読み取れなくなるので、2つ目と3つ目でも確かめます。
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まず、リッチリザルト テストで今のサイトを見る
Google の「リッチリザルト テスト(新しいタブで開きます)」に、自社のページの URL を入れます。そのページで見つかった構造化データの種類と、問題の有無が出ます。CMS が自動で入れているものも、ここでわかります。必須の項目が抜けているなどの問題は直します。できれば入れたい項目(推奨の項目)についての指摘は、ページに書いてある情報の分だけ足せば十分です。
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書いた構造化データを、検証ツールで確かめる
自分でコードを書いたときに使います。schema.org の「スキーマ マークアップ検証ツール(新しいタブで開きます)」(Schema Markup Validator)で、schema.org の書き方に合っているかを確かめます。項目の名前の打ち間違いなどが見つかります。
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公開したあとは、Search Console で見守る
Search Console(自社のページが検索に載っているかを確かめられる、Google の無料の道具)では、Google がレポートに対応している種類(パンくずリストなど)が見つかると、メニューの[拡張機能]に、種類ごとのレポートが出ます。サイトを直したときに、問題が出ていないかを見ます。
このサイトの例
このサイト「起業の経営学」も、ページを作る仕組みで、ページの種類ごとに次の構造化データを入れています。題名、日付、書いた人は、画面に出しているものと同じです。
- トップページ: サイト全体の情報(
WebSite)と、運営会社の株式会社SESH の情報(Organization) - トップページ以外のすべてのページ: ページの階層(
BreadcrumbList) - 記事と講座の各回: 記事(
Article)。題名、説明、公開日、更新日、書いた人(著者)、運営会社、画像 - 著者紹介: 書き手の紹介(
ProfilePage)。ページの主題は著者 - 講座の表紙と用語集: 講座(
Course)と、用語の一覧(DefinedTermSet)
サイト全体、講座、用語集の3つは、このサイトのつくりに合わせて足したものです。ふつうの小さな会社なら、上の「まず入れたいもの」の4つで十分です。FAQ の構造化データは使っていません。
