SNS と公式LINE の役割

お客さんが店を知ってから、また来るまでの流れで見ると、SNS と公式LINE の出番は次のようになります。

お客さんが店を知ってから、また来るまで
  1. 見つける

    地図や検索、SNS で店を知る

  2. 確かめる

    SNS やサイトで、店の様子を見る

  3. 来る

    来たときに、公式LINE の友だちになる

  4. また来る

    公式LINE で、次の知らせが届く

SNS は「見つける」と「確かめる」を、公式LINE は「また来る」を助けます

このサイトで共通の例にしている「開業1年目の〇〇整体院」(仕事帰りの会社員向けに、平日21時まで受け付けている、院長1人の小さな整体院)では、佐藤さん(仮名)のようなお客さんが、地図アプリの口コミで店を見つけ、納得してから予約します。SNS で院長の顔や部屋の様子を見せて不安を減らし、来てくれた人には、公式LINE で次の予約につながる知らせを届けます。

SNS は、顧客がいる場所を1つ選ぶ

SNS でよくある失敗は、意気込んで3つも4つも同時に始めて、数か月ですべて止まってしまうことです。手を広げるより、1つを続けるほうが、はるかに効果があります。

選ぶ基準は、「あなたのお客さんは、ふだんどこを見ているか」です。お客さん1人の人物像(ペルソナ)を、ふだん情報を見る場所まで描いておくと、迷わず選べます(「ペルソナの作り方」)。わからなければ、来てくれたお客さんに「何で知りましたか」「ふだん、どの SNS を見ますか」と聞いてみましょう。自分が使い慣れているかどうかも、続けるための大切な条件です。

主な SNS の特徴(機能や決まりは変わるので、始める前に各サービスの公式の案内で確かめる)
サービス 中心になるもの 向いている商売や使い方の例
Instagram 写真と短い動画 飲食、美容、雑貨、整体など、見た目や雰囲気で魅力が伝わる商売
X(旧Twitter) 短い文章。話題が速く広がる イベントやキャンペーンの告知、専門の知識の発信
Facebook 知り合いや、地域・業界のつながり 会社に売る事業(B2B)、士業(税理士など)、地域の経営者とのつながりづくり
YouTube・TikTok 動画。作る手間は大きいが、作った動画はあとからも見てもらえる 教室やスクールなど、やり方を見せられる商売

店の商売なら、集客の SNS を1つと、リピートの公式LINE を組み合わせるのが定番です。店のない会社(会社に売る事業など)も、選び方は同じです。取引先の担当者が、ふだん見ている所を選びます。

〇〇整体院は、SNS を Instagram 1つにしました。地図で店を見つけた人が予約の前に確かめたい、院長の顔や部屋、家でできる体操を、写真と短い動画で見せられ、院長も使い慣れているからです。

SNS の始め方(4つの手順)

  1. 店や会社のためのアカウントを作る

    趣味などで使う個人のアカウントとは別に、店や会社のアカウントを新しく作ります(無料です)。操作は、画面の案内に従えば難しくありません。

  2. プロフィールを整える

    名前、何の店か、地域、営業時間、ホームページへのリンクを書きます。名前、住所、電話番号は、ホームページや Googleビジネスプロフィールと同じ書き方にそろえます。

  3. 投稿の頻度を先に決める

    続けられるペースを、始める前に決めます。週に1回でも十分です。

  4. 最初は自己紹介から投稿する

    最初の投稿は、自己紹介と、商品やサービスの定番の紹介です。ふだんの投稿は、お客さんの役に立つ話や、仕事の裏側の話を中心にし、宣伝はときどきにします。「この人から買いたい」と思ってもらうことが、SNS で得られるいちばんの成果です。

公式LINE の始め方(4つの手順)

公式LINE は、友だちになったお客さんに、メッセージやクーポンを直接届けるサービスです。新しいお客さんを集めるより、来てくれたお客さんとつながり続けるための道具です。

  1. アカウントを作り、料金のプランを確かめる

    無料のプランから始められます。ただし、友だちにまとめて送るメッセージ(メッセージ配信)の数には、1か月ごとの上限があります。数え方は「送った回数 × 送った友だちの数」です(友だち50人に2回送ると100通)。あいさつメッセージや、お客さんと1対1でやりとりするチャットは、数に入りません。多く送るなら、有料のプランに変えます。料金とプランは変わることがあるので、公式の料金プランの案内(新しいタブで開きます)で確かめてください。

  2. プロフィールと「あいさつメッセージ」を設定する

    あいさつメッセージは、友だちになってくれた人に、最初に自動で届くメッセージです。お礼と、これからどんな知らせを、月に何回ほど送るかを書きます。登録のお礼の特典も、ここに入れておくと、その場で届きます。

  3. 友だちになってもらう入り口を作る

    管理画面で作れる友だち追加用の QR コードを、店頭の案内や小さなカードに載せ、会計のときにひと声かけて読み取ってもらいます。ホームページや SNS には、友だち追加用の URL を載せます。いちばん増えるのは、この店での声かけです。「登録してくれたら〇〇」という、その場の小さな特典も用意しましょう。

  4. 月に数回、役に立つ知らせを送る

    新しいメニュー、空き状況、クーポンなど、受け取ってうれしい知らせを、月に数回送ります。

夜の小さな整体院の受付で、紺の施術着の院長が、青緑の吹き出しの印だけが描かれた小さなカードを、スマホを持った女性に手渡している。後ろに施術のベッドと青緑の扉がある
初めて来た佐藤さんの会計のときに、院長が「平日の夜の空き状況と、家でできる体操をお送りします」とひと声かけて、公式LINE の友だちになってもらう(架空の例)

佐藤さんのように、強い勧誘が苦手な人もいます。〇〇整体院では、送るのは月に2回までにし、売り込みの知らせは送りません。

やってはいけないこと

  • フォロワー(アカウントを登録して投稿を見てくれる人)を買う。数字が増えても、お客さんは増えず、信頼を失います
  • 個人の話題と混ぜる。政治や時事の意見は、商売用のアカウントでは書かないのが無難です
  • 批判やクレームに、感情的に返す。時間を置いて、冷静に返します
  • いくつもの SNS に同時に手を出す。止まったアカウントが残るだけです

投稿する前に「お客さんや取引先が見ても大丈夫か」を、ひと呼吸おいて確かめ、迷ったら投稿しない。これだけで、批判が集まって一気に広がる「炎上」などのトラブルは、ほとんど避けられます。

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