なぜペルソナの言葉が、検索語と AI への質問になるのか

人は困りごとを解決したいとき、自分がふだん使っている言葉で検索したり、AI に質問したりします。見つけてもらうには、その言葉を知る必要があります。

気をつけたいのは、売り手と顧客の言葉のずれです。売り手は専門用語を使いがちですが、顧客はその言葉を知りません。また「整体」のような1語だけの広い言葉では、大手や比較サイトが並び、小さな会社のページは埋もれます。

そこで役に立つのが、ペルソナ(代表的な顧客1人の人物像。描き方は「ペルソナの作り方」)の「困っている場面」の言葉です。1人の具体的な場面から拾った言葉は、大手が狙いにくい「すきまの言葉」になり、同じ悩みの人に届きやすくなります。

よい例

ペルソナが困っている場面で使う言葉(例:「肩こり 夜 眠れない」「〇〇駅 整体 20時以降」)

悪い例

売り手の専門用語や、1語だけの広い言葉(例:「筋膜リリース 施術」「整体」)

この記事では、ペルソナのメモから言葉を拾い、検索語と AI への質問にして、疑問ごとに答えるページを決めます。

ペルソナの言葉から、答えるページまで
  1. ペルソナのメモから言葉を拾う

    困っている場面、今の対処法、選ぶ条件

  2. 検索語と AI への質問にする

    「整体と整形外科、どちらに行けばいい?」

    検索語は2〜3語、質問は1〜3文

  3. 答えるページを決める

    1つの疑問に、1つのページ

顧客の言葉で書いたページを、検索と AI の答えの入口にします

ペルソナの言葉から「検索語」を作る手順

整体院の机でメモを書く院長。頭の中には、夜の電車でスマホを見る佐藤さんが浮かんでいる。机の上には、検索窓の形のカードと吹き出しのカードが並ぶ
佐藤さんが帰りの電車で打ち込む言葉を考えます(架空の例)

ここでは、〇〇駅から歩いて3分、院長1人で平日21時まで受け付けている整体院の例で考えます。ペルソナは、次の佐藤さんです。

このメモの言葉を拾って、3つの切り口で検索語を作ります。

  1. 悩みと「困っている場面」の言葉を組み合わせる

    本人がいつ、何に困っているかの言葉です。この例では「肩こり 夜 眠れない」。課題の整理は「顧客の課題を1文で言う」も参考にしてください。

  2. 業種名に、地名や選ぶ条件を足す

    店を探すときに外せない条件です。「〇〇駅 整体 20時以降」「〇〇駅 整体 夜遅くまで」のように、業種名(整体)に駅名と時間帯などを足します。店のない事業なら、地名の代わりに相手の業種(「飲食店」など)や、「オンライン」「少額から」など頼める条件を足します。

  3. 業種名に、迷いや比較の言葉を足す

    今の対処法と比べて迷っている言葉です。もみほぐしや整形外科と迷っているなら、「整体 もみほぐし 違い」「肩こり 整体 整形外科」が作れます。

AI に投げる「長い質問」を作る

単語を並べる検索だけでなく、AI に話し言葉で質問する人もいます。メモの「困っている場面」「今の対処法」「選ぶときの条件と不安」をつないで、対処法を聞く質問と、条件に合う店を探す質問を、1〜3文で書いてみます。

文で書くと、単語の検索語では見えなかった不安(「強い勧誘が苦手」など)まで見え、そのままページで答える題材になります。

疑問ごとに、答えるページを決める

検索語と AI への質問が出そろったら、どのページで答えるかを決めます。1つのページに多くの話題を詰め込むと、誰の疑問にも答えにくくなるので、「1つの疑問に、1つのページ」で整理します。同じことを尋ねている検索語と質問は1つのページにまとめ、長い質問にいくつもの疑問が入っていれば、疑問ごとに分けます。上の1つ目の質問は、眠れない、すぐ戻る、整形外科と迷う、の3つの疑問なので、表の2〜4行目に分けました。

質問と、答えるページの整理表(開業1年目の整体院の例)
質問(検索語・AI への質問) ページの題名 答えること
〇〇駅 整体 20時以降/仕事帰りの20時以降に通える整体は? 〇〇駅徒歩3分・21時まで受付|仕事帰りに通える〇〇整体院 最終受付の時間、駅からの道順、着替えの用意、強い勧誘をしない方針
肩こり 夜 眠れない/デスクワークの肩こりで眠れないときは? デスクワークの肩こりで、夜に眠れないときのセルフケア 寝る前にできるケア、施術の内容、医療機関に相談したほうがよいときの目安
整体 もみほぐし 違い/もみほぐしで、すぐ元に戻るのはなぜ? 整体ともみほぐしの違いと、肩こりの状態に合わせた選び方 目的と施術の違い、選ぶときの目安
肩こり 整体 整形外科/整体と整形外科、どちらに行けばいいですか? 肩こりのとき、整形外科と整体のどちらに行くか迷ったら 強い痛みやしびれがあるときは医療機関が先、という目安と、整体でできること

ページの題名と説明文を具体的に書いておくと、検索結果で「自分のためのページだ」と気づいてもらいやすくなります。

〇〇駅 整体 20時以降

  1. 自社のページ

    〇〇整体院 ・ seitai.example.jp

    〇〇駅徒歩3分・21時まで受付|仕事帰りに通える〇〇整体院

    〇〇駅東口から徒歩3分。平日は21時まで受け付けているので、仕事帰りでも通えます。着替えを用意しているので、スーツのままで大丈夫です。

  2. 比較サイト ・ hikaku.example.com › 〇〇駅

    〇〇駅周辺の整体・マッサージ おすすめ一覧

  3. 地域情報サイト ・ town.example.net › relax

    〇〇駅の夜まで営業しているリラクゼーション特集

検索結果の見本(架空の例です。実際の画面とは違います)

営業時間や勧誘の方針のように、選ぶときの判断の材料をはっきり書いておくと、AI が回答を作るときの手がかりにもなります。AI の回答では、根拠としてサイトが示されることがあります。店なら、同じ内容を地図の店舗情報(Googleビジネスプロフィール)にも書いておきます。

〇〇駅の近くで、仕事帰りの20時以降に通える整体を探しています。強い勧誘がなく、肩こりを相談しやすい店はありますか?

AI の回答(見本)

〇〇駅の近くで、平日の20時以降も受け付けている整体院はいくつかあります。たとえば〇〇整体院は、東口から徒歩3分で、平日は21時まで受け付けています1。初めての人には施術の流れと料金を先に説明し、回数券などの強い勧誘はしない方針を案内しています1。予約の前に、口コミや料金も確かめると安心です2。

  • 1〇〇駅徒歩3分・21時まで受付|仕事帰りに通える〇〇整体院〇〇整体院(自社のページ)
  • 2〇〇駅周辺の整体・マッサージ おすすめ一覧比較サイト
AI の回答の見本(架空の例です。特定の AI サービスの画面ではありません)

実際に検索や AI で調べて、今の答えを確かめる

整理表を作ったら、ページを書く前に、検索語で検索し、質問を AI にも聞いてみましょう。今の答えを見ると、表の「答えること」に何を足せばよいかがはっきりします。

  • 検索窓の候補を見る: 言葉を入れたときに出る候補に、見落としていた悩みの言葉がないかを見ます。
  • ほかの会社のページを見る: 大手のサイトばかりか、近くの同業者のページが出ているかを見ます。ほかの会社が答えていない疑問があれば、選ばれる余地があります。
  • AI の回答を見る: どんな答えが返るか、地域の情報が足りているかを見ます。

ほかの会社との違いを整理するときは、顧客・競合・自社を並べる「3C分析」が役に立ちます。顧客と話す機会があれば、「ペルソナを現場で確かめる」のやり方で、ふだんどんな言葉で調べているかを直接聞いてみましょう。

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