サービスサイトとは
初めてのお客さんは、会社の名前ではなく、自分の困りごとや、欲しいサービスの名前で検索します。その言葉で見つけてもらい、商品のよさを伝えて、問い合わせ、資料の請求、購入、予約といった行動につなげる。それがサービスサイトの役目です。
1つの商品やサービスの紹介に絞り、それを必要としている人(見込み客)だけに向けて作るので、会社全体を紹介するコーポレートサイトよりも、人を集め、買ってもらうことに強くなります。
コーポレートサイトとの違い
会社の信用づくりと、お客さんを集めることの両方を1つのページに詰め込むと、どちらの人にとっても中途半端になりがちです。
| コーポレートサイト | サービスサイト | |
|---|---|---|
| 目的 | 会社の信用をつくる | 見込み客を集めて、買ってもらう |
| 主に見に来る人 | 取引先、金融機関、働きたい人 | 商品やサービスを探している人 |
| 主な中身 | 会社の概要、事業の内容、代表者あいさつ | 商品の特徴、料金、お客様の声、よくある質問 |
| ゴール(してほしい行動) | 会社を信頼してもらう | 問い合わせ、資料の請求、購入、予約 |
分け方は、事業の数で決めます。
- 事業が1つの小さな店や会社: ホームページは1つで十分です。代表者あいさつや店の案内が信用の役目を受け持ち、商品の紹介や料金を、この記事の「7つの中身」にそって、お客さんを集める役目として作ります(1つのページに並べても、ページを分けてもかまいません)。
- 事業がいくつもある会社: 会社のホームページとは別に、事業ごとのサービスサイトを作ります(後半の著者の実例)。
見つけてから予約するまで
このサイトで共通の例にしている「開業1年目の〇〇整体院」(仕事帰りの会社員向けに、平日21時まで受け付けている小さな整体院)と、その顧客の佐藤さん(仮名。デスクワークの肩こりに悩む38歳の会社員)で、サービスサイトの働きを見てみます。
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検索で見つける
- 〇〇駅 整体 20時以降
帰りの電車で、探している言葉で
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自分向けだとわかる
「平日は21時まで予約できます」
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読んで納得する
料金、お客様の声、よくある質問
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予約する
店が閉まったあとでも、スマホで
見つける、わかる、納得する、予約する。どこでも止まらないように作ります
佐藤さんは、19時40分、帰りの電車で「〇〇駅 整体 20時以降」と検索して、〇〇整体院のトップページと「料金と施術の流れ」のページを見ます。最初の画面で「平日は21時まで予約できる」とわかり、料金、お客様の声、よくある質問を読んで納得します。そして家に帰った23時、店が閉まったあとに、同じスマホからネットで予約します。
作り方(4つの手順)
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してほしい行動(ゴール)を決める
最初に決めるのは、デザインではなく、「見に来た人に、何をしてもらうか」です。このゴールの行動を、コンバージョン(CV)と呼びます。
- 問い合わせ、見積もりの依頼(会社に売るサービスに多い)
- 資料の請求、お試しの申し込み
- 商品の購入(ネットで売る場合)
- 来店の予約、電話
ゴールが決まると、必要なページや文章が決まります。ここがあいまいなまま作ると、「きれいだが問い合わせが来ないサイト」になってしまいます。〇〇整体院のゴールは、スマホからのネット予約です。開業から3か月は電話予約だけで、営業時間中にしか受けられず、夜に店を探す佐藤さんのような人を逃していました(今の姿とあるべき姿を比べる「As-Is/To-Be分析」で決めたことの1つです)。
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誰に向けるかを確かめる
作り始める前に、ペルソナ(代表的な1人の顧客像)を確かめます。まだ描いていなければ、「ペルソナの作り方」で1人を描いてから始めます。
〇〇整体院のペルソナは佐藤さんです。佐藤さんが予約の前に知りたいのは、仕事帰りに間に合うか、料金はいくらか、強い勧誘はないか、院長の顔と部屋の様子の4つです。この4つに答えることが、中身の芯になります。
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7つの中身をそろえる
サービスサイトに最低限そろえたい中身は、次の7つです。上から順に並べると、前の図の「わかる、納得する、予約する」の流れが、そのまま作れます。
サービスサイトにそろえる7つの中身(〇〇整体院の例) 中身 書くこと 〇〇整体院の例 キャッチコピー 「誰の、どんな困りごとを、どう解決するか」を、最初の画面でひと言で 「デスクワークの肩こりを、姿勢から見直す整体院です。平日は21時まで予約できます」 特徴・選ばれる理由 競合との違いを3つほどに絞る(顧客、競合、自社を比べる3C分析や、自社の強みを見極めるVRIO分析をしていれば、その結果が使える) 毎回同じ院長が担当する/仕事中の姿勢から見直し、家でできる体操も教える/平日は21時まで(院長の顔と部屋の写真を添える) 料金・プラン 料金の目安を示す。すべて「要問い合わせ」にすると、比べる候補から外されやすい 1回60分 6,000円 お客様の声・事例 同じ困りごとを持つお客さんの声は、いちばん説得力がある(載せる前に本人の許可を得る。開業したばかりなら、集まってから載せる) 「仕事帰りに通えるので、休日をつぶさずにすむようになりました」(デスクワークの会社員) 利用の流れ 申し込みから利用までの手順を示し、不安を取り除く ネットで予約 → 困りごとと仕事中の姿勢を聞く → 施術(60分)→ 家でできる体操を教える よくある質問 営業でよく聞かれる質問と答えを載せ、疑問に先回りして答える 「整体ともみほぐしは、何が違う?」「強い勧誘はない?」 問い合わせ(予約)のフォーム 入力する項目は最小限に。項目が多いほど、途中でやめる人が増える 空いている日時を選び、名前と電話番号を入れるだけ(送ると、予約完了のページが出る) 〇〇整体院では、キャッチコピー、選ばれる理由、お客様の声、よくある質問をトップページに、料金と利用の流れを「料金と施術の流れ」のページに、フォームを「予約のページ」に置いています。フォームは、ホームページを作る道具(CMS)に用意されたものを使えます(「コーポレートサイトを作る」)。
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問い合わせまでの道すじを整える
中身がそろっていても、問い合わせまでの道すじ(導線とも呼びます)が悪いと、成果は出ません。次の4つを確かめます。
- どのページにも、問い合わせ(予約)のボタンを置く(画面のいちばん上のメニューの並び〔ヘッダー〕と、ページのいちばん下)
- ボタンの言葉は「送信」ではなく、「無料で相談する」のように、押すと何ができるかがわかる言葉にする(〇〇整体院なら、ページに置くボタンは「予約の空きを見る」)
- スマホでの見やすさと押しやすさを、いちばんに確かめる
- 電話番号は、押すとそのまま電話をかけられるようにする
公開したあとは、アクセス解析(ホームページに来た人の動きを数える道具)で、どこで帰ってしまったかを確かめながら直します(「アクセス解析講座 第3回」)。サービスサイトは、作って終わりではなく、育てていくものです。
著者の実例: 会社に売るサービスのサイト
ここからは、著者が創業したころの実例です。著者は、会社に売る事業(B2B と呼びます)をしています。整体院のように店に来てもらう商売とは違いますが、検索されそうな言葉と、顧客の不安から中身を考える作り方は同じです。
著者の4つの工夫は、この記事の「誰に向けるか」「選ばれる理由」「利用の流れ」「問い合わせまでの道すじ」にあたります。
